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離婚原因ランキング【2026年最新】男女別トップ10を司法統計で読む|結婚前に確認できること

離婚原因ランキングを司法統計データで読み解く記事のアイキャッチ

「離婚原因の1位は性格の不一致」。その数字、どこから来ているか知っていますか?

離婚原因ランキングとして紹介されている数字のほとんどは、最高裁判所の司法統計年報にある「婚姻関係事件数-申立ての動機別申立人別」という表が元になっています。つまり家庭裁判所に調停を申し立てた人が、申立ての理由として挙げたものの集計です。

ところが日本の離婚は約9割が協議離婚で、家庭裁判所を通りません。この前提を飛ばしたまま「これが日本の離婚原因」と読むと、実態を取り違えます。

この記事では、最新の令和7年(2025年)司法統計年報 家事編の原資料を実際に取得して、男女別のランキングを件数ごと整理します。あわせて前年・10年前と並べて何が動いたかを見たうえで、それぞれの動機を「結婚前・交際中に確認できること」に翻訳します。確認できなかった数値は書きません。

📖 この記事でわかること

  • 最新(令和7年)司法統計による離婚原因ランキング|夫が申立人・妻が申立人の男女別トップ12
  • この統計が「離婚全体の原因」ではなく「離婚調停の申立て動機」である理由
  • 前年(令和6年)・10年前(平成27年)と並べたときの順位と割合の変化
  • 男女で最も差が大きい項目と、逆に差がほとんどない項目
  • それぞれの動機を「結婚前・交際中に確認できること」に置き換えると何を見ればいいか

🔎 結論早見|最新の司法統計はこうなっている

夫が申し立てた場合の1位

性格が合わない 58.6%

2位は「精神的に虐待する」21.6%。3位「異性関係」11.9%と大きく離れます。

妻が申し立てた場合の1位

性格が合わない 37.1%

2位「生活費を渡さない」28.8%、3位「精神的に虐待する」26.1%が接近しています。

前提として押さえる

協議離婚が88.3%

大半の離婚は家庭裁判所を通りません。この表は残りの一部を映した数字です。

10年でいちばん動いた項目

妻の「暴力」22.7→16.7%

順位は4位のままですが、割合は6.0ポイント下がっています。

※割合は司法統計の件数から当ブログで算出。母数は申立人ごとの総数です。2026年9月5日に原資料を取得して確認しています。

統計資料のページをめくって数字を確認している手元
目次

離婚原因ランキングの正体|これは「離婚調停の申立て動機」の集計です

電卓とグラフで結婚相談所の費用を計算するイメージ

ネット上の離婚原因ランキングは、ほぼすべてが同じ一次資料に行き着きます。最高裁判所「司法統計年報 家事編」の第19表です。まずはこの表が何を数えたものなのかを押さえます。

数えているのは「家庭裁判所に調停を申し立てた人」だけ

第19表の正式名称は「婚姻関係事件数-申立ての動機別申立人別-全家庭裁判所」です。婚姻関係事件とは、夫婦関係調整の調停や審判など、家庭裁判所で扱われた夫婦の事件を指します。

令和7年の件数は57,491件で、内訳は夫が申立人のものが15,355件、妻が申立人のものが42,136件でした。つまりこの表は、話し合いがまとまらず家庭裁判所まで持ち込まれたケースの集計です。

日本の離婚は約9割が協議離婚|裁判所を通らない

厚生労働省の人口動態統計特殊報告によると、離婚の種類別構成割合は令和2年で「協議離婚」が88.3%です。「調停離婚」は8.3%、「審判離婚」は1.2%、「和解離婚」は1.3%、「判決離婚」は0.9%でした。

司法統計に出てくるのは、この1割強の側で起きたことです。夫婦で話し合って届を出した大多数の離婚は、動機が記録として残っていません。「日本人の離婚原因の順位」ではなく「もめて裁判所に来たケースの申立て理由の順位」と読むのが正確です。

離婚全体がどれくらい起きているのか、「3組に1組」という数字の正しい読み方は、こちらの記事で人口動態統計から確認しています。

複数回答で「主なもの3個まで」|合計は100%を超える

表の注記には「申立ての動機は、申立人の言う動機のうち主なものを3個まで挙げる方法で調査重複集計した」と明記されています。ひとりが最大3つ選べる形式です。

この記事の割合は、各項目の件数を申立人ごとの総数で割ったものです。項目をすべて足すと100%を大きく超えますが、それは集計方法によるもので、計算違いではありません。「性格が合わない」を選んだ人が、同時に別の動機も挙げている場合があるということです。

「申立人の言う動機」であって、裁判所が認定した事実ではない

もうひとつ大事なのは、これが申し立てた側の言い分をそのまま数えた集計だという点です。相手方がどう反論したか、最終的にどう判断されたかは、この表には反映されていません。

そのため「性格が合わない」が突出して多いことも、本当に性格だけが理由だったという意味にはなりません。角の立たない言い方として選ばれやすい項目である可能性も含めて読む必要があります。

ライ

じゃあ、よく見る「離婚原因ランキング」って全部の離婚を数えたものじゃないの?

ひすい

ちゃうねん。9割近くは夫婦だけで話をつけて届を出してるから、そもそも数えられてへんのよ。だからこの表は「裁判所まで来た夫婦の言い分」って読むのが正解やねん。

📌 この章の出典

件数・注記=最高裁判所「令和7年 司法統計年報 3 家事編」第19表「婚姻関係事件数-申立ての動機別申立人別-全家庭裁判所」。離婚の種類別構成割合=厚生労働省「令和4年度 離婚に関する統計の概況」(人口動態統計特殊報告)図3・第3-1表。いずれも2026年9月5日に原資料(PDF)を取得して確認しました。

離婚原因ランキング【男性・夫が申立人】最新トップ12

家庭裁判所を思わせる落ち着いた公共建築の廊下

夫が申し立てた15,355件の内訳です。1位が突出して大きく、2位以下は僅差で並ぶという形になっています。

1位

58.6%

性格が合わない

2位

21.6%

精神的に虐待する

3位

11.9%

異性関係

スクロールできます
順位申立ての動機(公式項目名)件数割合
1位性格が合わない9,004件58.6%
2位精神的に虐待する3,320件21.6%
3位異性関係1,823件11.9%
4位浪費する1,784件11.6%
5位家族親族と折り合いが悪い1,685件11.0%
6位性的不調和1,524件9.9%
7位暴力を振るう1,367件8.9%
8位同居に応じない1,288件8.4%
9位生活費を渡さない825件5.4%
10位家庭を捨てて省みない658件4.3%
11位病気585件3.8%
12位酒を飲み過ぎる323件2.1%
―その他3,263件21.3%
―不詳1,048件6.8%

1位「性格が合わない」は6割弱|受け皿になっている項目

9,004件、58.6%です。夫が申し立てたケースの5件に3件近くで挙げられています。2位との差は37ポイントあり、他の項目とは規模が違います。

ただし前の章で見たとおり、これは申立人が挙げた動機の集計です。具体的な出来事を挙げにくいとき、あるいは相手を強く責めたくないときにも選ばれうる項目だという前提で見ておくのが妥当でしょう。

2位「精神的に虐待する」は3,320件|暴力より2.4倍多い

21.6%で、夫が申立人のケースでは5件に1件以上を占めます。同じ人間関係の問題でも、身体的な「暴力を振るう」8.9%の2.4倍です。

言葉や態度による扱いの問題が、申立ての動機としてはっきり上位に来ているのが最新の形です。この項目は男女どちらの側からも上位に挙がっており、性別に固有の問題ではありません。

3位から8位までは11.9%〜8.4%の団子状態

異性関係11.9%、浪費する11.6%、家族親族と折り合いが悪い11.0%、性的不調和9.9%、暴力を振るう8.9%、同居に応じない8.4%。この6項目は3.5ポイントの幅に収まっています。

順位を1位刻みで語ることにあまり意味がない範囲です。「お金の使い方」「親族関係」「性」「同居」のどれもが同じくらいの頻度で申立ての理由になっている、と束で捉えたほうが実態に近いといえます。

「その他」21.3%の存在も無視できない

用意された12項目のどれにも当てはまらない「その他」が3,263件、21.3%あります。2位の「精神的に虐待する」とほぼ同じ規模です。

選択肢に収まらない事情が5件に1件あるということで、ランキングだけを見て「離婚原因はこの12種類」と考えるのは早計です。ここも公式の集計項目なので、順位から外さず並べています。

📌 この章の出典

最高裁判所「令和7年 司法統計年報 3 家事編」第19表(夫が申立人の総数15,355件)。件数は原資料の値、割合は当ブログが件数÷総数で算出し小数第2位を四捨五入。2026年9月5日確認。

離婚原因ランキング【女性・妻が申立人】最新トップ12

統計資料とグラフが並んだデスクの写真

妻が申し立てた42,136件の内訳です。件数は夫の2.7倍あり、上位3項目が接近しているのが男性側との大きな違いです。

1位

37.1%

性格が合わない

2位

28.8%

生活費を渡さない

3位

26.1%

精神的に虐待する

スクロールできます
順位申立ての動機(公式項目名)件数割合
1位性格が合わない15,646件37.1%
2位生活費を渡さない12,137件28.8%
3位精神的に虐待する10,995件26.1%
4位暴力を振るう7,025件16.7%
5位異性関係5,393件12.8%
6位浪費する3,463件8.2%
7位性的不調和2,695件6.4%
8位家庭を捨てて省みない2,434件5.8%
9位家族親族と折り合いが悪い2,315件5.5%
10位酒を飲み過ぎる2,281件5.4%
11位病気617件1.5%
12位同居に応じない612件1.5%
―その他5,164件12.3%
―不詳4,977件11.8%

1位は同じ「性格が合わない」だが37.1%にとどまる

15,646件で37.1%。1位である点は夫側と同じですが、割合は21.5ポイント低く、独占的な1位ではありません。

妻が申立人の場合は、2位28.8%・3位26.1%が近い位置にいます。上位3つが横並びに近く、理由が1つに集約されていないのが特徴です。

2位「生活費を渡さない」12,137件はこの表で最も男女差が大きい

28.8%で、夫側の5.4%に対して23.4ポイントの差があります。件数で見ると12,137件と825件で、実に14.7倍です。

これは性格や相性の問題というより、家計をどう分担するかという運用の問題が申立てまで発展した形といえます。この記事の後半では、この項目を「結婚前に確認できること」に翻訳します。

3位「精神的に虐待する」・4位「暴力を振るう」で扱いの問題が続く

精神的に虐待するが10,995件26.1%、暴力を振るうが7,025件16.7%です。この2つを挙げた件数は、重複を含みつつも相当な規模になります。

なお「精神的に虐待する」は夫側でも2位に入っている項目です。どちらか一方の性別だけに現れる動機ではない、という点は数字が示しています。

下位の「同居に応じない」1.5%は夫側の8.4%と逆転している

妻側で最下位グループの「同居に応じない」は612件、1.5%です。ところが夫側では1,288件、8.4%で8位に入っています。

件数では夫のほうが2倍以上多く、順位でも大きく上です。ランキングは男女どちらの側から見るかで景色が変わるので、片方だけを「日本の離婚原因」として紹介するのは正確ではありません。

こはく

同じ1位でも、片方は58.6%で片方は37.1%。ずいぶん意味が違いますね。

ひすい

せやねん。妻側は上位3つが団子やから「理由が1個やない」んよ。1位だけ切り取ると、この違いがまるっと消えてまうねん。

📌 この章の出典

最高裁判所「令和7年 司法統計年報 3 家事編」第19表(妻が申立人の総数42,136件)。件数は原資料の値、割合は当ブログが件数÷総数で算出。2026年9月5日確認。

男女で差が大きい項目・ほとんど差がない項目

家計のノートと電卓を並べて計算している手元

同じ表を男女で並べると、大きく開く項目と、ほぼ重なる項目がはっきり分かれます。ここが単独ランキングでは見えない部分です。

スクロールできます
申立ての動機夫が申立人妻が申立人差
生活費を渡さない5.4%28.8%妻が23.4pt高い
性格が合わない58.6%37.1%夫が21.5pt高い
暴力を振るう8.9%16.7%妻が7.8pt高い
同居に応じない8.4%1.5%夫が6.9pt高い
家族親族と折り合いが悪い11.0%5.5%夫が5.5pt高い
精神的に虐待する21.6%26.1%妻が4.5pt高い
浪費する11.6%8.2%夫が3.4pt高い
性的不調和9.9%6.4%夫が3.5pt高い
酒を飲み過ぎる2.1%5.4%妻が3.3pt高い
異性関係11.9%12.8%差0.9pt
病気3.8%1.5%夫が2.3pt高い
家庭を捨てて省みない4.3%5.8%差1.5pt

最大の差は「生活費を渡さない」23.4ポイント

妻28.8%に対して夫5.4%。全12項目でいちばん開いています。生活費の受け渡しが一方向で運用されている家庭ほど、その流れが止まったときに問題が表面化しやすい構図が見えます。

裏を返すと、家計の入り口と出口をお互いに把握できている夫婦では、この動機自体が発生しにくいということでもあります。

「異性関係」は男女でほぼ同じ|差はわずか0.9ポイント

夫11.9%、妻12.8%。イメージで語られやすい項目ですが、申立ての動機として挙げられる割合はほとんど変わりません。

「家庭を捨てて省みない」も夫4.3%・妻5.8%で差は1.5ポイントです。この2つは、どちらの立場からも同じくらい問題になっていると読めます。

「家族親族と折り合いが悪い」は夫側が2倍|11.0%対5.5%

親族との関係は妻側の悩みとして語られがちですが、申立ての動機としては夫側が11.0%、妻側が5.5%でちょうど2倍です。件数でも1,685件対2,315件で、総数の差を考えると夫側の比重が高くなります。

どちらの実家との距離感も、結婚前に話しておく価値がある論点だとわかります。

数字の読み方の注意|「男性がこう、女性がこう」とは言えない

この表が示しているのは、申立人ごとに挙げられた動機の分布です。夫婦のどちらに非があったかを示すものではありませんし、申立てに至らなかった大多数の夫婦には当てはまりません。

特定の性別を責める材料としてこの数字を使うのは、資料の性質から外れた読み方です。ここでは「話し合いが決裂したとき、どんな論点が争点になりやすいか」の地図として使います。

📌 この章の出典

最高裁判所「令和7年 司法統計年報 3 家事編」第19表。差(ポイント)は当ブログが両者の割合から算出したものです。2026年9月5日確認。

前年・10年前と比べる|順位はほぼ動かず、割合だけが動いている

ノートパソコンで統計データを確認する40代の男性

同じ第19表を、前年の令和6年、10年前の平成27年と並べてみます。ランキング記事ではほとんど扱われませんが、ここに一番はっきりした傾向が出ています。

平成27年

65,683

婚姻関係事件(件)

令和6年

58,429

婚姻関係事件(件)

令和7年

57,491

婚姻関係事件(件)

スクロールできます
動機(妻が申立人)平成27年令和6年令和7年
性格が合わない40.5%(1位)38.3%(1位)37.1%(1位)
生活費を渡さない28.3%(2位)29.0%(2位)28.8%(2位)
精神的に虐待する25.6%(3位)26.2%(3位)26.1%(3位)
暴力を振るう22.7%(4位)17.9%(4位)16.7%(4位)
異性関係18.0%(5位)13.3%(5位)12.8%(5位)
浪費する11.3%(6位)8.5%(6位)8.2%(6位)
家庭を捨てて省みない9.0%(7位)5.9%(8位)5.8%(8位)
酒を飲み過ぎる6.4%(10位)5.8%(9位)5.4%(10位)
動機(夫が申立人)平成27年令和6年令和7年
性格が合わない61.3%(1位)60.0%(1位)58.6%(1位)
精神的に虐待する18.7%(2位)21.8%(2位)21.6%(2位)
異性関係14.8%(4位)11.8%(3位)11.9%(3位)
浪費する12.4%(6位)11.5%(4位)11.6%(4位)
家族親族と折り合いが悪い14.9%(3位)11.0%(5位)11.0%(5位)
性的不調和13.1%(5位)10.5%(6位)9.9%(6位)
同居に応じない9.9%(7位)8.8%(8位)8.4%(8位)
生活費を渡さない4.4%(11位)5.7%(9位)5.4%(9位)

上位5項目の顔ぶれは10年間ほとんど変わっていない

妻が申立人の上位5つは、平成27年も令和7年も「性格が合わない・生活費を渡さない・精神的に虐待する・暴力を振るう・異性関係」で、順位まで完全に同じです。夫が申立人の側も、1位と2位は10年間まったく動いていません。

つまり「最新のランキング」を毎年追いかけても、顔ぶれは変わりません。この記事も含めて、ランキング自体は10年単位で安定した情報だと考えて構いません。

10年でいちばん下がったのは妻側の「暴力を振るう」6.0ポイント

妻が申立人の「暴力を振るう」は平成27年の22.7%から令和7年は16.7%へ、6.0ポイント下がりました。件数では10,882件から7,025件です。順位は4位のままなので、順位表だけを見ていると気づけません。

次いで大きいのが同じく妻側の「異性関係」で18.0%から12.8%へ5.2ポイントの低下です。ただし婚姻関係事件の総数自体が65,683件から57,491件へ12.5%減っているため、割合の低下と件数の減少は分けて見る必要があります。

上がった数少ない項目が「精神的に虐待する」

夫が申立人の「精神的に虐待する」は平成27年18.7%から令和7年21.6%へ2.9ポイント上昇しました。妻側も25.6%から26.1%へわずかに上がっています。

ほとんどの項目が横ばいか低下しているなかで、男女とも上がっている数少ない動機です。目に見える出来事より、日々の接し方が争点として言語化されるようになってきた、と読める変化です。

前年(令和6年)からの1年では、ほぼ何も動いていない

令和6年と令和7年を比べると、夫が申立人の側は12項目すべてで順位が同じでした。妻側で入れ替わったのは9位と10位(家族親族と折り合いが悪い・酒を飲み過ぎる)だけで、割合の差も0.4ポイント以内です。

単年の「最新版」に大きな意味はなく、10年スパンで見て初めて傾向が読めるタイプの統計だといえます。

ライ

毎年「最新の離婚原因ランキング」って記事が出るけど、中身そんなに変わらないんだ?

ひすい

上位はほぼ据え置きやね。変わるのは割合のほう。10年並べて初めて「暴力が減って、精神的な扱いが増えた」みたいな話が見えてくるんよ。

📌 この章の出典

最高裁判所「司法統計年報 3 家事編」第19表(令和7年・令和6年)および「平成27年 司法統計年報 家事編」第19表「婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別 全家庭裁判所」。3年分とも2026年9月5日に裁判所公式サイトからPDFを取得し、件数を確認して割合を算出しました。

各動機を「結婚前に確認できること」に翻訳する

カフェのテーブルで向かい合って話す2人分のコーヒーカップ

ランキングを眺めるだけでは何も変わりません。ここからは上位の動機を、結婚前や交際中に実際に確かめられる形に置き換えます。相手を疑うためではなく、噛み合わない部分を早めに言葉にするための整理です。

🔁 動機 → 結婚前に確認できることの対応

生活費を渡さない

家計の分担方法を、金額の話まで含めて口に出せるか

浪費する

趣味・買い物にいくらまでなら自由か、線引きが揃うか

精神的に虐待する

意見が割れたとき、相手がどう伝えてくるか

家族親族と折り合い

お互いの実家との距離感(帰省頻度・同居の想定)

同居に応じない

住む場所・転勤・単身赴任をどう扱うかの合意

性格が合わない

生活時間・休日の過ごし方など、平日の噛み合い方

お金|「渡す・渡さない」以前に、分担の形が決まっているか

妻側の2位「生活費を渡さない」と、両側で10%前後の「浪費する」は、どちらも家計の運用の話です。片方が全額を管理して、もう片方に渡す形にすると、渡す量が争点になります。

結婚前に確かめられるのは、金額そのものより「お金の話を平常心でできるか」です。旅行や家電の予算を決める場面で、相手が金額を口に出せるか、決めた線を守るか。ここが噛み合わない相手とは、結婚後も同じ噛み合わなさが続きます。

対立したときの伝え方|10年で唯一増えている論点

「精神的に虐待する」は男女とも上位で、しかも10年間で割合が上がった数少ない項目でした。ここで見るべきは、相手が上機嫌なときの態度ではなく、意見が食い違ったときの態度です。

黙り込んで場を凍らせる、話をすり替える、こちらの家族や仕事をからめて責める。こうした反応が出るかどうかは、旅行の行き先やお店選びが割れた程度の小さな場面でも見えます。付き合っているうちに一度も意見が割れていないなら、それは相性が良いのではなく、まだ確かめられていないだけです。

実家との距離感|夫側で11.0%と、思われているより高い

「家族親族と折り合いが悪い」は夫が申立人で11.0%の5位です。妻側の5.5%の2倍で、男性側の論点としても小さくありません。

確認しておけるのは、帰省の頻度、行事への参加の考え方、将来の同居や介護をどう想定しているかです。結婚してから初めて温度差に気づくと、当事者だけの問題では収まらなくなります。

住む場所と生活時間|「同居に応じない」は夫側8.4%

夫が申立人の8位が「同居に応じない」8.4%で、妻側の1.5%の5倍以上です。転勤・単身赴任・実家との行き来など、どこに一緒に住むかの前提がずれたまま結婚すると、後から動かしにくくなります。

あわせて、起きる時間・帰宅時間・休日の過ごし方といった生活時間も確認しておく価値があります。1位の「性格が合わない」の中身は、こうした日常の噛み合わなさが積み重なった結果であることが多いからです。

一緒に住む前提を結婚前にどう確かめるかという点では、同棲をするべきかどうかを考えた記事も参考になります。

こう考えないほうがいい|チェックは相手を選別する道具ではない

ここまでの項目は、相手を減点して落とすためのリストではありません。同じ論点でも、話し合って折り合えるなら問題になりません。統計に出てくるのは、折り合えないまま何年も持ち越した結果です。

また、収入・職業・出身といった属性で相手の危険度を測るような読み方は、この統計からは導けません。第19表は属性別の集計を持っていないからです。

婚活中なら、どこで確認するか?

カフェで向かい合って会話する40代前後の男女

前章の論点は、会う回数が少ないと確認しようがありません。婚活の場ごとに、確かめやすいこととそうでないことが分かれます。

「結婚の意思があるか」は場の仕組みで決まる部分がある

私自身は33歳のときに結婚相談所に入会し、約1年で成婚退会しました。入会時に独身証明書などの提出が必要で、独身で結婚を考えている人しかいない前提で会えるところが、それまで使っていたマッチングアプリとの違いでした。

結婚に本気かどうかを一人で見極めるのは難しいので、その部分を場の仕組みに任せられるかどうかは、婚活の方法を選ぶときの判断材料になります。

1対1で1時間話す機会を、何度も作れるかどうか

私が使っていたお見合いの形式は、プロフィールでお互いにOKが出たら2人でカフェに行き、1時間ほど話して、良ければ交際に進むというものでした。断られる回数のほうが多かったのですが、この「1対1で1時間」を積み重ねる形自体は、前章の確認をするには向いていました。

逆に大人数のイベント中心だと、盛り上がりは分かっても、意見が割れたときの反応やお金の考え方までは見えません。方法を選ぶときは、相手の人数より、1人あたりに使える時間で考えるほうが実用的です。

確認されるのは自分も同じ|丸投げは相手側から見えている

この記事の項目は、相手を測るためのものであると同時に、自分が測られている項目でもあります。私は交際中、行き先を「どこでもいいよ」と相手に丸投げしてしまう癖があり、これは気遣いのつもりでも相手には準備していない人に見えます。

候補を2つ出して選んでもらう形にするだけで印象は変わります。決めごとの場面をどう扱うかは、そのまま結婚後の家計や生活の決め方に直結する部分です。

この統計でわからないこと|手続きや条件の話は専門家へ

第19表からわかるのは、申立ての動機の分布だけです。どの事情なら離婚が認められるか、その後の取り決めがどうなるかといった法律の判断は、この統計の範囲外です。

当ブログは婚活の情報を扱うサイトなので、そうした個別の手続きについては触れません。実際に困っている場合は、弁護士や自治体の相談窓口など、専門の窓口に相談してください。

なお、婚活の方法ごとの費用と期間の比較は「40代で婚活を始めるなら」の記事で、離婚率そのものの推移は「離婚率」の記事で別に整理しています。どちらも公開後に本記事から案内します。

よくある質問

婚活のよくある質問

離婚原因ランキングの1位は男女とも「性格が合わない」ですか?

はい、最新の令和7年 司法統計年報 家事編 第19表では、夫が申立人の場合が58.6%(9,004件)、妻が申立人の場合が37.1%(15,646件)で、どちらも1位が「性格が合わない」です。

ただし割合には21.5ポイントの差があります。夫側は2位の21.6%を大きく引き離した単独1位ですが、妻側は2位の「生活費を渡さない」28.8%、3位の「精神的に虐待する」26.1%が接近しており、理由が1つに集約されていません。

この統計は日本の離婚全体の原因を表していますか?

表していません。司法統計の第19表は、家庭裁判所に婚姻関係事件を申し立てた人が挙げた動機の集計です。

一方で厚生労働省の人口動態統計特殊報告によると、離婚の種類別構成割合は令和2年で協議離婚が88.3%、調停離婚が8.3%、審判離婚が1.2%、和解離婚が1.3%、判決離婚が0.9%です。約9割の離婚は家庭裁判所を通らないため、動機の記録が残っていません。

「もめて裁判所まで来たケースの申立て理由」として読むのが正確です。

割合を全部足すと100%を超えるのはなぜですか?

集計方法によるものです。第19表の注記には「申立ての動機は、申立人の言う動機のうち主なものを3個まで挙げる方法で調査重複集計した」と明記されています。

1人が最大3つまで動機を挙げられる複数回答なので、各項目の割合を単純に合計すると100%を超えます。この記事の割合も、各項目の件数を申立人ごとの総数(夫15,355件・妻42,136件)で割って算出したものです。

離婚の原因は10年前と変わってきていますか?

顔ぶれはほとんど変わっていません。妻が申立人の上位5項目は、平成27年も令和7年も「性格が合わない・生活費を渡さない・精神的に虐待する・暴力を振るう・異性関係」で順位まで同じです。

変化しているのは割合のほうで、妻側の「暴力を振るう」が22.7%から16.7%へ6.0ポイント低下、「異性関係」が18.0%から12.8%へ5.2ポイント低下しました。

逆に上がったのは「精神的に虐待する」で、夫側が18.7%から21.6%、妻側が25.6%から26.1%です。なお婚姻関係事件の総数自体が65,683件から57,491件へ減っている点は考慮が必要です。

結婚前にこのランキングをどう活かせばいいですか?

相手を減点するリストとしてではなく、「話し合っておく論点の一覧」として使うのが実用的です。

生活費を渡さない・浪費するは家計の分担方法、精神的に虐待するは意見が割れたときの伝え方、家族親族と折り合いが悪いは双方の実家との距離感、同居に応じないは住む場所と転勤の扱いに対応します。

統計に残っているのは、これらの論点を折り合えないまま何年も持ち越したケースです。

付き合っているあいだに一度も意見が割れていないなら、相性が良いのではなく、まだ確かめられていない状態だと考えたほうが安全です。

まとめ:ランキングの順位より、「何の集計か」と「どう翻訳するか」

婚活記事のまとめ

✅ まとめ:司法統計から読み取れること

  • 離婚原因ランキングの正体は「離婚調停の申立て動機」。離婚の約9割を占める協議離婚は集計に含まれない
  • 1位は男女とも「性格が合わない」。ただし夫58.6%に対し妻37.1%で、妻側は上位3つが接近している
  • 男女差が最大の項目は「生活費を渡さない」(妻28.8%・夫5.4%の23.4ポイント差)
  • 「異性関係」は夫11.9%・妻12.8%でほぼ差がない。イメージと実際の分布は違う
  • 上位5項目の顔ぶれは10年間ほぼ不変。動いたのは割合で、妻側の「暴力を振るう」が6.0ポイント低下
  • 男女とも上がった数少ない項目が「精神的に虐待する」。対立時の伝え方が争点になりやすくなっている
  • 各動機は「家計の分担方法・意見が割れたときの態度・実家との距離感・住む場所」という確認可能な論点に翻訳できる

離婚原因ランキングは、10年並べても順位がほとんど動かない、珍しく安定した統計でした。だからこそ「最新版はどれか」を追いかけるより、その中身を自分の生活の言葉に置き換えるほうが役に立ちます。

統計に残っているのは、折り合えないまま持ち越された結果です。裏を返せば、お金の分担も、実家との距離も、意見が割れたときの伝え方も、結婚前に一度は口に出して確かめられる論点だということでもあります。この記事の数字が、その会話を始めるきっかけになれば十分です。

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